この夏、あべのハルカス美術館で開催中の「金魚絵師 深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」を見に行ってきました。
もともと金魚が好きだったこともあって、深堀隆介さんの作品には興味があり、
特に有名な木の升の中に本物のような金魚が泳ぐように見える「金魚酒」を最初に見たときは
そのリアルな立体感に心とらわれてしまいました。
今回の展示では、その代表作だけでなく、平面画や新しい挑戦的な作品も数多く並べられていて、
深堀さんが20年かけて金魚と向き合った歴史をも感じることができます。

深堀隆介さんとは
深堀隆介(ふかほり りゅうすけ)さんは、アクリル樹脂とアクリル絵具を使い、
「2.5Dペインティング」とも称される独特な技法で、
本物のような金魚を器や木升の中に描く現代アーティストです。
2000年から金魚の作品の制作に携わり、国内外から注目を集めています。
今回の「水面のゆらぎの中へ」では、初期の作品から、新作まで、約300点を展示しているとか。
アクリルの水の中で優雅に泳ぐ虚構の金魚が心を癒してくれます。
展示の見どころ①:木の升×金魚の立体作品
やはり最初に目を引かれるのは、「金魚酒」
深堀さんの代名詞ともいえる作品です。
今回はいろいろな「金魚酒」を初期の作品から最近の作品まで並べ、
また、深堀さん本人のコメントも添えられているので、
どうやって2.5Dペインティングが完成していったか、
どのような思いで制作されてきたのかが伝わる展示です。
実際は升で金魚は生きていけませんが、まるでそこにいるように、
金魚をお店で見定めるように、作品を楽しむことができます。
展示の見どころ②:涼を感じる平面画

今回の展示では、立体作品だけでなく、平面の絵画作品も展示されています。
あるいは桶のフタ、あるいは道端に落ちた空き缶など、いろんなところに金魚が現れます。
つるんとしたアクリルの質感が平面であるにもかかわらずみずみずしさを感じさせ、
透き通り揺らめくヒレが、美しくもたまに妖しくも見えてきます。
特に私が好きだったのが、畳の上を泳ぐ金魚たち。
絶対にありえない、非現実的な世界に魅了されます。
展示の見どころ③:暑い夏にぴったりの涼を感じる展示
金魚を描くということは、そこに水を感じられるということ。
アクリルの偽物の水ですが、見ているだけで水の冷たさを想像させ、
その中に手を突っ込みたくなるほどです(もちろん触ることはできません…)
また、机の中、食品のカップの中、普通ならありえない場所にいる金魚は、
妖怪を見ているような不思議な感覚を引き起こします。
まさに、この暑い夏にぴったりの展示だなと思いました。

アクリル絵具の魅力と、画材に対する気づき
今回の展示を見て、あらためて「アートは画材ではなく、発想と技術で成り立つ」
ということを実感しました。
「古いものがアート」という思い込みがあった私ですが、
比較的新しい画材である、アクリル絵具の魅力を強く感じました。
透明感と重厚感、両方をしっかり表現できる。そんな素敵な画材だったのですね。
しかも、キャンバスを選ばない、自由な発想で絵が描ける。
あまり今まで意識していなかった画材ですが、
次回、美術展に行ったときは画材も注目してみてみようかなと思いました。
おわりに
深堀隆介さんの金魚アートは、写真では伝わらない立体感と存在感が魅力です。
写真では味わえない“立体感”と“涼”を体験しに、ぜひ足を運んでみてください。
金魚が好きな方、癒されたい方、アート初心者にもおすすめです。
「金魚絵師 深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ」は、あべのハルカス美術館にて、
9月7日(日)まで開催されてます。
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